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表向きの理由:「気候変動で指数の精度が落ちた」
農林水産省は、作況指数(平年比で米の収穫量を示す指標)を2025年産から廃止すると発表しました。公的な理由としては以下の2点が挙げられています。
- 気候変動の影響で30年平均がもはや参考にならない
- 異常気象や高温障害で、平年値に基づく「平年作」や「不良作」といった評価が、現場の感覚とズレている。
- 現場との乖離が広がっている
- 作況指数が「良」とされても、実際の現場では品質や収量に問題があるなど、現実と乖離するケースが増加。
このため、「正確な情報を農家に届けるための改善策」として、廃止はポジティブに捉えられています。
目次
現場の声:「目標がなくなって不安」「価格が説明つかないのでは?」
しかし、実際の米農家からは以下のような声が上がっています。
- 「作況指数がなくなると、今年の出来が良かったのか悪かったのか判断しづらい」
- 「販売先に説明しにくくなる」
- 「価格との関係が不透明になって不信感が高まるのでは?」
このように、農家側では混乱が懸念されています。
裏の理由:作況指数と価格の矛盾から目をそらすため?
ここからが本題です。なぜこのタイミングで廃止なのか――その裏にある“真の理由”を、筆者なりにこう推測します。
✅【仮説】価格の矛盾を隠したいのでは?
- たとえば、「作況指数が102(豊作)」なのに、米の価格が前年より高いといった事例が近年増えてきました。
- 本来、作況指数が高ければ供給過多→価格下落という構図になるはずが、現実には米価が横ばいか上昇傾向。
- これはなぜか?
✅【背景にある要因】
- 政府による需給調整の影響(民間備蓄制度・主食用米の作付け転換)
- 農家の高齢化・離農で絶対的生産量が減少
- 消費減少で価格調整の柔軟性が上がってきている
- 一部のブランド米による価格維持戦略
これらの要因が複合的に絡んで、作況指数が高くても価格が下がらないという「説明の難しい状態」が生まれているのです。
その結果、「作況指数」という“わかりやすい基準”があることで、むしろ混乱を助長しているのでは?と判断された可能性があります。
まとめ:作況指数廃止は“透明化”ではなく“情報統制”か?
表向きには「気候変動への適応」や「現場重視のデータ提供」とされていますが、実際には、
- 「価格の矛盾を隠すための戦略」
- 「農家の自由裁量を表面的に高めるように見せて、実は価格統制をしやすくする」
といった政策的思惑が背景にあると見るのが自然ではないでしょうか。
今後の注目ポイント
- 代替データとして何が提供されるのか(例:品質指数?気象連動型収量予測?)
- 米価の透明性はどう保たれるのか(取引所導入の機運?)
- 自治体レベルで独自の「作況」発表をする動きが出てくる可能性も?