こんにちはハッセです。
最近のキャンプブームにより冬でもキャンプがしたい!雪中キャンプしたい!と思い始める人も多いと思います。
でもやったことない人にはかなりハードルが高く感じられますし、どの辺に注意して何を用意すればよいの?という方の参考になればと思います。
最近キャンプ始めましたという友人に冬キャンプに対して気になったという点を以下に挙げてみました。
- テントは何がいいの?
- 寒い中どうやって寝るの?
- なにか気をつけることは?
この辺りが気になるそうですのでひとつづつ解決していこうと思います。
テントは何がいいの?
結論から言うと
何でもいいと思います。
何でもいいと言うと語弊があるかもしれませんが、わざわざ冬用にテントを買い直す必要はないという意味です。
スカートがあった方がいいとか自立する方がいいとかTC生地が良いとかありますが、確かにスカートはあった方がイイと思うしテントは自立するタイプの方が設営しやすいと思いますがそんなにこだわるポイントでは無いと思います。
スカートがあっても隙間風が吹き込まないだけで、氷点下になればあっても無くても暖かさに大差は無いです。雪中であれば隙間を雪で塞ぐことが出来ます。
ポリエステル生地よりはTC生地の方が結露しにくいですが多少の結露はします。
まずは持っているテントで行ってみて良いと思います。
そのテントで何か不具合や不都合を感じたらそれに見合ったテントを用意すればいいと思います。私は家族で夏に使用していたDODのカマボコテント(ポリエステル生地)やサバティカルのモーニンググローリーTC、ソロ用のシークアウトサイドのシマロン(コーデュラ製シルナイロン生地)で雪中キャンプしてみましたが特に問題なく使用出来ました。
雪中では『ペグ』が効かない事も!?
テント選びよりも重要なのが『ペグ』です。
どんなテントもペグが刺さらなければ倒壊してしまう恐れがあります。
雪中では雪が深いとペグが効かなく抜けてしまったり、地面がガチガチに凍って固くなりペグが刺さらなくなったりします。
ガチガチの地面にはエリッゼステーク(通称エリステ)やスノーピークのソリッドステークのような頑丈な鍛造ペグで長さが30cm以上のペグがあった方が良いです。
もし雪がそれ以上積もっていて地面までペグが届かない場合は、ペグを横向きにして埋めたり、薪にガイロープを巻き付けて雪中に埋めると意外と固定されます。
スノーペグという物も販売しているので柔らかい雪の場合は利用してみるのもいいかもです。
寒い中どうやって寝るか
私はこれが何より大事だと考えています。
起きているときは動いていたり上着を重ねたりするので気にならないかもしれませんが睡眠時は違います。寒くてまったく寝れないなんてことになるともう地獄です。
寒さの中寝るポイントは
背中側から来る冷気を遮断するべし
特に背中側に注意!
大抵の人は上に掛ける物ばかりに意識がいきがちですが実は背中からの冷気を防ぐ方が重要なんです。
いくらフカフカな高級ダウンシュラフを買っても背中側は自分の体重でダウンが潰れてしまい、どんどん背中が冷えてきてとても寝れたもんじゃありません。
R値の高いマットを使いましょう。
R値やマットについて
私がキャンプ始めたばかりの友達や職場の同僚に
「テントと寝袋は買ったけど他に何買えばいいの?」と聞かれて真っ先に
「良いマット!」
と答えるくらい大事なアイテムです。
マットってそんなに大事?
めちゃめちゃ大事です!
正直言って
寝袋と同じくらい大事
だと思ってください!
マットの性能次第でマイナス気温を快適に寝れるか
まったく眠れずに苦痛の夜を過ごすか明暗が分かれます。
R値ってなに?
R値とはそのマットがどのくらい熱を逃がさないかを評価する指標です。
断熱力、反対の言い方をすると冷気の遮断力ともいえるでしょう。
R値が高いほどその力は強くなります。
冬キャンプの場合、外気温にもよりますが氷点下になるようなところはR値5.0以上あった方が無難と言われています。
またR値は足し算が出来るので、R値2.0+R値3.0=R値5.0のマットになります。R値5.0以上のマットは高価になるのでR値の小さなマットをシーズンによって使い分ける方もいるようです。
マットの種類
マットには大きく分けて3種類あります。
・「インフレータブルマット」
・「エアーマット」
・「クローズドセルマット」
それぞれのメリットデメリットと一例を見ていきましょう。
【インフレータブルマット】(エアー+ウレタン)
【メリット】
- R値が高い物が多い
- バルブを開くだけで空気が入る(最後は手動で必要)
- 中身にウレタンが入っているので寝心地が良い
【デメリット】
- エアマットより少し重い
- エアマットより収納サイズが少し大きい
- 地面との接地面が破ける可能性がある
- 価格が高価なものが多い
【主な商品の一例】
【エアーマット】
【メリット】
- 収納サイズが最小
- 重量も最小
- 空気の調整で寝心地を微調整出来る
【デメリット】
- 破けると使い物にならない
- エアーの寝心地が合わない人もいる
- 厚みの無い物だと座った時に地面にお尻がつく
【主な商品の一例】
【クローズドセルマット】
【メリット】
・穴が空く心配がないのでゴツゴツした岩の上でも使える
・空気を入れる必要が無いので広げるだけですぐ使える
・価格が比較的安価
・重量が軽い
【デメリット】
・収納時にかさばる
・寝心地がエアマット等と比べると良くない
・R値があまり高くない
【主な商品の一例】
実際に使った2つのマットで比較
私が実際に使ったのは以下の2つ
・キャプテンスタッグ Evaフォームダブル
・ネイチャーハイク 自称R値5.8エアマット
このネイチャーハイクのマットは、
箱にインフレータブルパッドと書かれていますが
ウレタンは入っておらずフィルムが何層にもなっているだけなので
エアマットの分類に属すると思います。
使用した感想~キャプテンスタッグEvaフォームマット~
最低気温:マイナス14℃
灯油ストーブ:寝る前に消火
ハイコットの上にキャプテンスタッグEvaフォームダブルを折り畳み2重にして使用
寝袋:NANGA秀岳荘オリジナルハイブリッド1000
その他:足元にハクキンカイロと足の裏に貼るカイロ
結論:背中からの冷えは感じられなかった。外気温が寒すぎたので寝袋の隙間からの冷気で目を覚ましたがそれ以外は寒さを感じず快眠。
考察:キャプテンスタッグのEvaフォームマットはR値を公表していないが、似たような素材で同じような厚みのサーマレストのZライトソルがR値2.6なのでキャプテンスタッグEvaフォームもR値は2.6と想定、ダブルサイズを折り畳んで2重にしたことによってR値5.2近くになったと想定すると、氷点下14℃で使用しても背中からの冷えを遮断出来たのではないかと考えられる。
使用した感想~ネイチャーハイクR値5.8エアマット~
最低気温:マイナス3℃
薪ストーブ:寝る前に消火
ローコットの上にネイチャーハイクR値5.8エアマットを使用
寝袋:NANGA秀岳荘オリジナルハイブリッド1000
その他:足の裏に貼るカイロ
結論:気温がそこまで下がらなかったので背中からの冷えはまったく感じられず朝まで快眠。
考察:マイナス3℃程度ではあまり検証にはならなかったが、じんわり背中が暖まる感覚を感じたのでポテンシャルはかなり高そう。マイナス10℃でも問題ない気がする。
寝心地:私はエアマットの寝心地があまり好みでは無かったが、今回ローコットと組み合わせたせいか不快を一切感じずむしろあれ?こんなに寝心地いいんだなぁとさえ思ってしまった。今回は空気をパンパンにしないで8割程度にしたからかもしれない。
気になった点:ローコットの上に乗せたせいか朝起きたら滑って少しズレていたがまぁ許容範囲だと思う。
総評:アリエクスプレスで1万2000円台でこの性能ならかなりの高コスパだと思う。2万円以上だと他の高性能のマットに手が届くのでこのマットは買わない。この値段だからもし穴が空いても諦めがつくので気分的に使いやすい。
結果どっちが良かったの?
性能的にはどちらも氷点下での使用で背中側からの冷気を感じませんでした。
設営・撤収の手間はEvaマットが使いやすい
寝心地はコット+エアマットに軍配が上がるが、好みによる。
キャプテンスタッグのEvaマットは畳んでいるだけなので嵩張るけどパッと広げるだけで簡単に使えるので、車を乗り入れできるようなオートサイト等なら使いやすいです。
ネイチャーハイクのエアマットは収納サイズが手の平2個分くらいなので荷物を増やしたくない時は最適です。使用時は膨らます必要があるので若干手間がかかる程度です。
互いのメリット・デメリットによってシチュエーションによって使い分けるのが良いでしょう。
じゃあオススメはどんなマット?
R値は高い前提で何を重要視するかによって変わります。
・価格が安い
・穴が空きにくい
・収納サイズが小さい
・軽い
・寝心地
一応私なりに重要ポイントを絞ったうえでオススメすると以下のような感じになります。
価格の安さ・使いやすさ 重視
・キャプテンスタッグ EVAフォームマット
穴が空く心配もなく価格が安価なので1枚持っていれば何かと役に立つことも踏まえてこちらのマットをオススメ。シングルサイズだと底冷えするかもしれないので冬はダブルサイズを折り畳むとほぼ底冷えしませんでした。
※最近はAmazonなどに他メーカーで似たような商品がもっと安価で販売されているのでこだわりが無ければ安い方でいいと思います。(SOOMLOOMなど)
収納サイズ・軽さ・R値 重視
価格を度外視するのであれば総合的にこのマットが性能の高さと価格のコスパが非常に優れています。表面生地は30D高強度ナイロンが施されソフトで肌触りが良く滑りにくい生地になっており、寝返りを打った時に出る生地の音を最小限に減らしています。
寝心地・価格 重視
収納サイズを無視するならこちらのマットが寝心地に優れています。ウレタンが含まれた内部は厚さ10cmまで膨らみ程よい沈み加減でしっとりとした寝心地です。伸縮性のある表面の素材は肌触りがソフトになっています。R値が驚異の10!?私の弟が真冬に使用していてもまったく底冷えが無いと言っていたので厚みのあるウレタン素材が冷気を遮断しているものと思われます。
他にもまだまだ沢山のマットはありますし、個人によってその寝心地の感じ方は違うと思いますのでここで紹介したのは私の個人的な一例です。
底冷えのしないマットを使用して冬キャンプを楽しみましょう!
その他の細かな注意点
ライター類は人肌で温めておく
ライター類は冷えすぎると着火すらしないので気を付けて下さい。
意外と見過ごしがちになりますが、いざ使おうとしたときに使えない事になります。ポケットや自分の体温が伝わる場所に入れておきましょう。
ダウンシュラフは出して膨らましておく
収納袋から出したばかりのダウンシュラフは中の羽毛が潰れているのでその状態で使用しても本来の性能を発揮できずに暖かくならない事があります。これはダウンが作り出すエアポケットが不十分なためです。
日中のうちに収納袋からダウンシュラフを出して空気を含むようにバサバサやってしばらく置いておくと、どんどん膨らんでいきそのダウンシュラフ本来の性能を発揮できるようになります。1時間もすれば充分ダウンが膨らんでいると思います。
ダウンシュラフはなるべく早めに収納袋から出して膨らませておきましょう!
足裏にカイロ必須
身体にカイロを貼るのが普通だと思いますが、冬キャンプ中は足の裏にカイロを貼るのが一番効果的です。
私の実体験上、身体だけにカイロを貼った場合と足の裏だけにカイロを貼った場合では圧倒的に足裏カイロが暖かく感じました。
これはかなり効果絶大です。
長時間雪の上に足を置いておくと足の裏からの冷えが思ったより来るのでここをカイロで遮断してやるとかなり違います。両方に貼るのがベストだと思います。
まとめ
冬キャンプは寒い中でどうやって過ごすかどうやって快適に寝るかなどクリアしなければならない課題は多いものの、寒い中で食べる暖かい料理や焚火の温もりがより一層ありがたく感じて夏よりもハマる人はハマります。
虫がいないし人も夏ほどいないので慣れてしまえば最高のシチュエーションでキャンプを楽しめます。
今年こそは冬キャンプ!という人は安全に配慮した充分な知識とギアを用意して挑んでほしいと思います!
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